太陽光と蓄電池があっても、発電が少ない日に家全体の消費が多ければ買電は増えます。我が家では2026年3月20日、太陽光5.19kW・蓄電池10kWhがある状態で、1日に25.78kWhを購入しました。

この日をは、日付と気象資料を照合すると、近隣観測点の降水量は0.0mm、日照時間は0.0時間でした。25.78kWhは買電の実測値ですが、当日を雨天と断定する根拠はありません。本記事ではこの低発電日の記録と、6月3日・11月2日の雨天時の記録を分けて検証します。

買電25.78kWhだった日の実測|発電不足と大きな消費が重なった

この記事で扱う電力量は、我が家のアプリに表示された日別実績です。「消費量」は家全体で使った量、「買電量」は電力会社から購入した量です。両者は同じ数値ではありません。

項目 実績
太陽光の発電量 2.54kWh
家全体の消費量 32.66kWh
買電量 25.78kWh
売電量 0.03kWh
アプリの自給率 21.07%

消費量に対する買電の割合は、25.78÷32.66×100=約78.93%です。発電だけを見ると2.54kWhと少なく、同日に家全体では32.66kWhを使っていました。

2026年3月20日の日別実績。発電2.54kWh、消費32.66kWh、買電25.78kWhと時刻別の電力グラフ
2026年3月20日のアプリ保存画面。発電・消費・買電を同じ日付で確認できます。タップで拡大。

「消費量−発電量」が、そのまま買電量にならない理由

この日の消費量から発電量を引くと30.12kWhですが、実際の買電量は25.78kWhです。蓄電池がある家庭では、前日からの蓄えや当日の充放電、売電、変換時の損失なども関係するため、日間発電量と消費量だけでは電気の動きを説明しきれません。

アプリ上では消費量32.66kWhから買電25.78kWhを引いた6.88kWhが、買電以外から家へ供給された量に相当します。ただし、これを「当日に太陽光で直接まかなった量」や「蓄電池だけの放電量」とは読み替えません。

家電別の原因と、当日の残量不足は断定しない

3月20日の家全体の消費が大きかったことは確認できます。一方、日別の合計値だけでは、暖房やエコキュートがそれぞれ何kWh使ったのか、蓄電池が何時に放電を止めたのかまでは分かりません。「暖房が原因」「設定が悪かった」と決めず、時間ごとのグラフと設定画面を合わせて確認する必要があります。

「雨の日」という説明を訂正|3月20日と6月3日を区別する

近隣観測点の気象庁データでは、3月20日の降水量は0.0mm、日照時間は0.0時間です。我が家で保存している天気の分類も「曇り」でした。観測点と自宅は同じ場所ではありませんが、少なくともこの資料から「本降りの雨が続いた日」とは説明できません。

したがって、3月20日は「日照が乏しく、発電が少なかった日に買電が増えた事例」として扱います。雨天の実測としては、次の6月3日などを参照します。

出典:気象庁「過去の気象データ検索」2026年3月の日ごとの値。

雨の日にどれくらい発電するかという一般的な疑問は、梅雨の発電量2.49kWhを記録した雨の日の実測にまとめています。本記事では、設備があっても買電が多くなる理由と、運用を確認する順番に絞ります。

2026年6月3日の日別実績。発電2.49kWh、消費13.47kWh、買電7.88kWhと時刻別の電力グラフ
2026年6月3日の保存画面。日付索引では大雨に分類されています。3月20日とは消費量も異なります。

発電がほぼ同じでも買電は違う|3月・6月・11月を比較

日付 発電量 消費量 買電量 自給率
2026年3月20日 2.54 32.66 25.78 21.07%
2026年6月3日 2.49 13.47 7.88 41.50%
2026年11月2日 1.42 21.20 15.64 26.23%

我が家の記録上の天気は、3月20日が曇り、6月3日が大雨、11月2日が小雨です。天気の言葉だけで買電量の大小は決まりません。

2026年3月20日・6月3日・11月2日の発電量・消費量・買電量を同一尺度で比較
日別実績を同一尺度で比較。買電の差は、設定変更だけの効果を示すものではありません。

3月から6月の買電17.90kWh減を、設定だけの成果にしない

3月20日と6月3日は発電量の差が0.05kWhと小さい一方、買電量は25.78kWhから7.88kWhへ17.90kWh減りました。同時に、消費量も32.66kWhから13.47kWhへ19.19kWh減っています。

運用を見直した後に買電が少ない日を記録しても、この比較では季節や家電の使い方、前日からの残量がそろっていません。「TOUへ変えたから17.90kWh節約できた」とは言えません。数値から確認できるのは、発電が同程度でも消費量と蓄電池の動きによって買電量が変わることです。

11月2日には、再び15.64kWhの買電が残った

最新の11月2日は発電1.42kWh、消費21.20kWh、買電15.64kWhでした。6月3日より消費が7.73kWh多く、発電は1.07kWh少ない日です。

我が家が運用を続けていても、発電が少なく消費が増えれば買電は残ります。この15.64kWhも設定の失敗や故障の証明ではなく、その日の発電・負荷・蓄電池残量を確認するための記録です。

2026年11月2日のアプリ原画。発電1.42kWh、消費21.20kWh、買電15.64kWhとSOC推移
2026年11月2日の保存画面。実績値とSOC・充放電の時間推移を確認できます。タップで拡大。

264日分の記録で確認|低発電日でも買電量には幅がある

2026年2月12日〜11月2日の264日分から、日間発電量が3kWh未満の日を拾うと20日ありました。その20日の買電量は、最少4.38kWhから最多30.10kWhまで開いています。「3kWh未満」は低発電日を比べるためにこの記事で置いた目安で、設備の異常を判定する基準ではありません。

日付 発電量 消費量 買電量
2月25日 1.11 31.30 30.10
5月21日 1.94 13.29 4.38
9月21日 0.48 15.27 15.08
10月24日 2.04 12.35 5.73
11月2日 1.42 21.20 15.64
2026年2月12日から11月2日の264日中、発電3kWh未満だった20日の買電量
264日分から抽出した発電3kWh未満の20日。橙色は3月20日、棒の長さは買電量です。

5月21日と10月24日は、発電が少なくても買電は比較的少ない日でした。一方、9月21日は消費15.27kWhに対して買電15.08kWh。消費量だけでも結果は決まらず、前日までの充電や使う時間帯も確認する必要があります。

この20日は、雨の日だけをまとめた数字ではありません。また、日別記録には蓄電池の充電や日をまたぐ電気の持ち越しも関係します。発電量の低い日を一律に「設備が役立たなかった日」と評価しないことが大切です。

月ごとの変化も確認するなら、10月の太陽光発電367.15kWhと9月の比較を参考にしてください。月間値はアプリの月間実績、ここでの具体例は日ごとの実績として区別しています。

太陽光・蓄電池があっても買電するときの確認順

1.発電量と消費量を、同じ日付で並べる

最初に見るのは、同じ日の発電量・消費量・買電量です。発電が少ないだけなのか、消費も増えているのかを分けます。さらに時間ごとのグラフで、買電が増えた時間帯と家電の運転時刻を照合してください。

エコキュートの沸き上げは発電のある時間帯へ動かすと買電を抑えられる場合がありますが、雨天で余剰がなければ昼間でも買電します。湯切れを避けるための必要量も確保し、契約単価と実際の発電に合わせて考えます。

2.蓄電池の残量と、放電が止まった時刻を確認する

朝・夕方・就寝前の残量に加え、買電が増えた時刻に蓄電池が放電していたかを確認します。充電が足りなかったのか、設定した下限に達したのか、放電できる時間帯の外だったのかで、確認する項目は変わります。

我が家の保存画面にはTOUモードと余剰電力の充電優先設定があります。ただし、放電スケジュールを長く取っても、その時間中ずっと電気を供給できる保証にはなりません。運用全体はDMM蓄電池のTOU・余剰充電の運用方法で説明しています。

我が家の保存画面。TOUモードで毎日00時01分から23時59分まで放電する設定例
保存済みのTOU設定画面をトリミングして掲載。3月20日当日の設定や、終日の電力供給を証明する画面ではありません。

3.SOCは、数字より項目名を読む

「電力系統充電停止SOC」「放電終了SOC」「バックアップ容量SOC」は役割が異なります。我が家の画面で確認できる20.0%は電力系統からの充電を止める値であり、停電に備えて20%残す設定の証明ではありません。

設定値だけをまねず、SOC各項目の違いと我が家の20%設定を確認してください。DMMの公式ガイドでも、系統からの充電終了値と、充放電の上下限は別項目で案内されています。

出典:DMMエナジー「お客様向け簡単使い方ガイド」デバイス管理画面。

保存画面の電力系統充電停止SOC20.0。放電下限や停電用残量とは異なる項目
同じ保存画面のSOC項目を拡大。20.0%は系統充電の停止値であり、停電用に残す割合とは区別します。

4.少量の買電と、大きな買電を分ける

DMMの同ガイドでは、蓄電池からの逆潮流を防ぐため、家庭の使用電力より少し少なく放電し、少量の買電が発生すると説明されています。対応する機器構成であれば、残量があるときの少量買電だけで故障とは判断できません。

一方、25.78kWhという1日分の買電を、この制御だけで説明することもできません。買電が大きい時間帯の負荷、充放電、残量、エラー表示を確認し、想定した動きと違う場合は施工店へ相談します。

出典:DMMエナジー「お客様向け簡単使い方ガイド」運転について。

買電25.78kWhは「1日約900円の損」なのか

購入した電力量を、そのまま追加損失とは呼べません。家で電気を使った結果の買電も含まれ、設備や設定を変えなかった場合との差額を測ったものではないためです。

さらに、時間帯で単価が変わる契約では、25.78kWhの合計だけから正確な料金を出せません。買った時間帯、適用される単価、燃料費調整額、再エネ賦課金、支援の適用などを確認する必要があります。基本料金を含む月の請求額と、1日の従量部分も分けて考えます。

以前の「約900円の追加損」という表現は採用せず、この記事では確認できる25.78kWhという電力量で比較します。料金の見方は、電気代は昼と夜どちらが安いか、契約プラン別の考え方も参考にしてください。

よくある疑問

雨の日の買電をなくすには、蓄電池を増やせばよい?

容量を増やしても、充電する電気が不足していれば使える量は増えません。日中の余剰、夕方から朝までに使う量、停電時に必要な家電と時間を確認して容量を考えます。我が家で5kWhの機器を使った比較実験はしていないため、5kWhなら必ず不足するとも断定できません。

発電が少ない日は、必ず夜間に充電した方が得?

一律には決まりません。充電する時間と、充電した電気を使う時間の単価差に加え、充放電の損失や翌日の太陽光の余剰を含めて判断します。料金の節約と停電への備えも、目的を分けて考えてください。

買電が減ったら、設定変更は成功と考えてよい?

発電が増えたり、冷暖房・給湯の消費が減ったりした影響もあります。変更前後の設定、発電量、消費量、残量の時間推移を残し、できるだけ条件の近い日で確認します。日別の買電量の差だけを節約効果としないことが大切です。

まとめ|買電が増えた日は、容量より先に電気の流れを確認する

太陽光と蓄電池は、家庭の電気のすべてを毎日まかなうと保証する設備ではありません。我が家の記録も、設定だけで買電が決まるわけではないことを示しています。まずは自宅のアプリで、買電が増えた日の発電・消費・蓄電池の動きを確認してみてください。