蓄電池の全負荷型と特定負荷型の違いは?オール電化で後悔しない選び方
本記事には広告・アフィリエイトリンクが含まれます。
蓄電池の全負荷型と特定負荷型は、停電時に電気を届ける範囲が違います。家全体の回路を対象にしたいなら全負荷型、冷蔵庫や照明など必要な回路に絞るなら特定負荷型が比較の出発点です。
我が家は関東地方のオール電化住宅で、太陽光5.19kWとDMM.make蓄電池10kWhを使っています。この記事では通常時の消費量の実測を参考に、停電に備える製品・工事の選び方を整理します。全負荷型と特定負荷型を自宅で比較した停電試験ではありません。
全負荷型と特定負荷型の違いを比較
ここでいう「負荷」は、電気を使う家電などを指します。分類の中心は停電時の給電範囲です。蓄電池の大きさや、日常の節約額を直接表す名称ではありません。

| 比較項目 | 全負荷型 | 特定負荷型 |
|---|---|---|
| 給電する範囲 | 家全体の回路が対象。実際の接続範囲は施工内容を確認 | あらかじめ選んだ回路・コンセントが対象 |
| 家電を使う場所 | 複数の部屋で使う計画を立てやすい | 停電対応の回路に接続された場所で使う |
| 200V家電 | 対応製品がある。型番・構成・出力を確認 | 方式名だけで可否を決めず、対応電圧と対象回路を確認 |
| 同時使用 | 停電時出力や回路ごとの上限内に制限される | 同様に上限があり、接続先も限定される |
| 長時間停電への備え | 不要な家電を止め、消費量を管理する | 必要な回路へ絞れるが、持続時間は残量と使用量次第 |
| 費用の比較 | 本体に加え、切替機器・分電盤・配線工事を確認 | 本体に加え、対象回路の配線工事などを確認 |
分類と出力制限の参考:東京電力EP「家庭用蓄電池とは?」。製品・配線の例:ニチコン「ESS-U5シリーズ」発表資料。公式情報は2026年10月8日確認。
全負荷型は「家中で使える」と「全部同時に使える」を分ける
全負荷型でも、停電時に供給できる電力には上限があります。例えばIHと電子レンジ、エアコンなどを重ねて動かすと、個別には対応していても合計で上限を超える可能性があります。
販売店には「家全体に対応していますか」だけでなく、使いたい家電の型番を伝え、「この組み合わせで停電時に使えますか」と確認すると具体的です。
特定負荷型は、部屋名より回路・コンセントの確認が重要
「リビングで使える」と聞いても、その部屋の全コンセントが対象とは限りません。冷蔵庫、照明、通信機器などの接続先を工事前に確認し、引き渡し時には家族も分かるように対象箇所を把握しておきます。
なお、単機能型・ハイブリッド型は太陽光との接続構成などに関する別の分類です。「ハイブリッド型だから全負荷型」とは判断せず、停電機能を個別に確認します。
オール電化で確認したい200V家電と停電時出力
IH・エアコンは、電圧が合うだけでは使えると断定できない
確認する順番は、停電対応の回路に入っているか→必要な電圧に対応するか→起動時を含む電力が上限内かです。エアコンは機種により電圧が異なるため、本体表示や説明書で調べます。
カタログでは通常時の出力と停電時の「自立出力」を区別してください。自立出力がkVAで示される場合もあります。kWと同じ数値として家電を機械的に足し合わせず、メーカーの接続条件まで施工店に確認します。

エコキュートは「接続できるか」と「沸き上げるか」を分ける
停電中もお湯を確保したい場合、まず給湯器の説明書で停電・断水時の扱いを確認します。蓄電池で新たに沸き上げたいなら、その機種を動かせる電圧・出力に加え、残量をどれほど使う計画なのかも確認が必要です。
ニチコンのESS-T1/T2のFAQでは、エコキュートを非常時回路で使用すると、電池残量が急減したり、過負荷で停止したりする場合があると案内しています。これは対象システムの注意ですが、給湯も含めた同時使用を事前に確認する理由になります。
出典:ニチコン「ESS-T1/T2 よくある質問」。記載された制約やオプションは対象型番の情報で、他製品へ一律には当てはまりません。
4人家族の実測:普段の消費量をそのまま停電時の必要量にしない
| 対象月 | 月間消費量 | 日数 | 1日平均 |
|---|---|---|---|
| 2026年5月 | 377.02kWh | 31日 | 12.16kWh |
| 2026年7月 | 559.52kWh | 31日 | 18.05kWh |
| 2026年9月 | 437.02kWh | 30日 | 14.57kWh |
出典:我が家の太陽光アプリの月間実績を記録したデータ。1日平均=月間消費量÷暦日数、小数第3位を四捨五入。買電量や蓄電池の放電量ではなく、家庭全体の消費量です。

月間実績には時間帯ごとの同時使用や起動時の電力、停電開始時の残量は表れていません。この表から停電時の稼働時間や、全負荷型と特定負荷型の優劣を実測したことにはできません。
停電時に何時間もつ?公称容量ではなく使える電力量で考える
停電開始時の残量と、実際に使える容量を確認する
公称10kWhでも、いつ停電しても家電に10kWh使えるという意味ではありません。開始時の充電状態、電池の状態、機器の制御などが関係します。
JEMAの性能表示ラベルでは「蓄電池容量」と、新品・満充電から停電時に利用できる「初期停電時放電容量」を区別しています。比較時には後者と測定条件も確認し、実際の残量に応じた説明を施工店に求めましょう。
出典:日本電機工業会(JEMA)「蓄電システム性能表示ラベル」。新品・満充電の表示値は、いつでも同じ時間使える保証ではありません。
説明用の試算:家電に使える電気が4kWhなら
停電開始後に家電へ供給できる電力量を4kWhと仮定します。必要な家電の平均合計電力が200W(0.2kW)なら、4÷0.2=20時間。平均800W(0.8kW)なら、4÷0.8=5時間です。

特定負荷型なら必ず長持ちするわけではなく、全負荷型でも不要な家電を止めれば使用量を抑えられます。太陽光からの停電中の再充電も、発電状況と接続構成次第です。夜間や悪天候も想定し、再充電を必ず得られる量として扱わないことが大切です。
全負荷型が向く家庭・特定負荷型を比較したい家庭
複数の部屋や200V家電を守りたいなら全負荷型が候補
オール電化だから全負荷型が必須とは限りません。ただ、停電中も冷暖房や調理を電気で行いたいなら、その家電の対応を具体的に確認する価値があります。
必要な回路に絞れるなら特定負荷型も選択肢
冷蔵庫・照明・通信機器などに備えを絞り、対象の回路を工事で確保できる家庭は特定負荷型も比較できます。費用を抑えられるかは製品と工事内容次第なので、方式名だけで安いと決めつけないでください。
導入自体を迷っている段階なら、停電機能だけでなく、普段の利用と費用も含めて判断します。
価格差は工事費込みで比較:見積もりで確認する7項目
全負荷型と特定負荷型の一律の価格差は、この記事では示しません。容量・出力の違う製品同士では、差額が給電方式だけによるものか分からないためです。希望する家電と利用時間を各社へ同じように伝え、次の項目をそろえて比較します。
| 項目 | 確認すること |
|---|---|
| 1. 対象回路 | 停電時に使える部屋・コンセント・専用回路を図や一覧で示してもらう |
| 2. 電圧と出力 | 希望家電の電圧、起動時と同時使用、回路ごとの制限 |
| 3. 使える電力量 | 公称容量と停電時放電容量、残量を確保する機能・条件 |
| 4. 太陽光との接続 | 既設パワコンとの適合、停電中の発電・充電、必要な切替操作 |
| 5. 税込総額 | 本体、切替機器、分電盤、基礎、配線、追加工事を含む範囲 |
| 6. 保証 | 機器・容量・施工の保証内容、免責、修理時の連絡先 |
| 7. 引き渡し確認 | 停電時の操作説明、復電時の動作、対象回路を確認する方法 |
例えば「冷蔵庫、リビング照明、通信機器に加えて、この型番のエアコンを使いたい。全負荷型と、必要回路に絞った構成で総額と制約を比較したい」と伝えます。実現できない組み合わせがあれば、代替案まで確認すると判断しやすくなります。
![]()
サービス内容の確認先:タイナビ蓄電池の公式サービス案内(2026年10月8日確認)。
全負荷型・特定負荷型についてよくある質問
全負荷型なら停電しても電気が途切れませんか?
全負荷は給電範囲を示し、無瞬断を保証する名称ではありません。切り替え時の挙動は製品仕様で確認してください。電源が一瞬でも切れると支障がある機器は、接続可否も含めてメーカーへ確認が必要です。
特定負荷型から全負荷型へ後から変更できますか?
製品構成と施工条件次第です。同じシリーズで両方式を選べる製品でも、設置後の変更が簡単・安価とは限りません。将来変更したい場合は、対応機器と工事範囲を契約前に確認しましょう。
全負荷型のほうが電気代も安くなりますか?
給電範囲だけでは決まりません。通常時の充放電、太陽光の余剰量、使う時間帯、料金契約、損失などが関係します。停電時の便利さと日常の節約額は別々に比較します。
太陽光なしでも全負荷型を選べますか?
太陽光なしでの設置に対応した製品・構成かを確認します。全負荷型という名称だけでは可否を決められません。停電中に太陽光から補充できない点も含めて判断してください。
まとめ:給電範囲と、使える電気の量・出力を分けて選ぶ
我が家の消費量も月によって変わりました。家族の人数や「10kWh」という容量だけで選ばず、停電時に続けたい生活を具体的にすることが、全負荷型と特定負荷型を選ぶ近道です。
